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保険制度について

【保険制度とは】

 

私的所有制度のもとにおいては、偶然の事故による私的財産の損失という不安を常にかかえています。保険とは、その偶然に発生する事故によって生じる財産上の損失を、多数の者が金銭(保険料)を出し合い、その資金から事故が発生した者に金銭(保険金)を給付し、損失をカバーする制度のことを言います。一言で言ってしまえば、万一の時のためのお金のリスクヘッジですね。例えば、下記の例のような場合が考えられます

 

 

例・万一のケースと保険

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分や家族に何かあったとき

 

 

・定期保険、終身保険

 

万一亡くなった場合に遺された家族の生活費などを

まかなうための保険

 

・個人年金保険

 

老後の生活資金などのための貯蓄性のある保険  

 

・医療保険、入院保険

 

病気やケガで入院したときの入院費用をまかなう

ための保

 

・傷害保険

 

ケガでの入院にしぼった保険

 

・介護保険要

 

介護が必要と場合にその介護費用をまかなう

ための保険

 

 

 

 

 

 

自分や家族が所有している物に何かあったとき

 

自動車保険(車両保険)

 

自分が所有する自動車が事故で修理が必要となった

場合の保険

 

火災保険、家財保険、地震保険など

 

家(建物)や家財が、火事や地震で損失してしまっ

場合の保

 

 

 

 

 

自分や家族が他人を傷つけたり、他人の物を壊してしまい賠償しなくてはならないとき

 

賠償責任保険

 

自分や家族が他人を傷つけたり、他人の物を壊して

しまったりしたときに賠償しなくてはならない時の

ための保険

 

自動車保険

 

自分が運転する車で、人や物を傷つけてしまったと

きに賠償しなくてはならない時のための保険

 

 

 

 

 

【保険のしくみ】

保険は、大数の法則の考え方に基づく仕組みで運用されています。これは加入者が十分多ければ、一定の経験値に収束するというもので、したがって危険率に見合った保険料を設定すれば収支が均衡するはずであるという統計的手法に基づいています。

 

ただ、台風や洪水などの被害が頻繁に発生したり、アメリカにおける同時多発テロ事件のような異常な事件が発生したりすると、保険制度の維持が難しくなります。実際に、保険金の財源が底をつき破綻した会社も現れました。そのため保険料が改定されたり、ソルーベーンシー・マージン比率といって、保険会社のリスク耐久性が公開されるようになりました。

 

 

【保険の歴史】

 

保険の歴史には、二つの流れがあると言われています。一つは古代ローマにおけるコレギア・テヌイオルム(同業者葬儀組合)や、中世・近世ヨーロッパにおけるギルド(商工業者の職種ごとの団体)などにみられた相互救済の制度です。

 

もう一つは、古代オリエントで盛んに行われていた交易において、自然の猛威や盗賊・海賊などによる大きなリスクに備えて、損失補填のため資金借入が行われていたということです。これは、偶然的損害を他に転嫁しようとするものであり、前期的資本かつ営利的取引であったという点から、現代の保険により近いものと言えます。

 

その後、14世紀後半になると、資本蓄積が進んだ貿易業者の間で金融取引の高度化が進み、イタリア諸都市において海上保険の仕組みが整えられていきます。そして、17世紀に入ると、イギリスのコーヒー店「ロイズ」において、さらに近代的な保険業務が始められます。それは、船の所有者が出港前に金融業者から借金をし、もし船が帰って来ることができなかった場合借金が免除されるというものでした。これを「冒険貸借」と言い、現在の海上保険の先駆的形態となりました。

 

日本の歴史

 

日本にも古くから社倉・義倉、頼母子講、抛銀、海上請負など、保険に類似したものはありましたが、近代的な保険制度は、明治維新後に欧米から導入されました。1859年に、開港したばかりの横浜で、外国人を対象に外国保険会社によって火災保険や海上保険の引き受けが始められ、1867年には、福沢諭吉が欧米の保険制度を『西洋旅案内』のなかで紹介します。その中には、「人の生涯を請合ふ事」「火災請合」「海上請合」の三通りの災難請合について解説しています。また、夏目漱石も保険制度の普及を著書にて薦めています。

 

保険事業そのものは、いくつかの試行を経たのち、本格的には、1879年(明治12)の東京海上保険会社、1881年には明治生命保険会社が設立され、行われるようになります。

 

 

【保険の問題点】

 

 

保険金詐欺

 

保険は金銭面での損失をカバーする仕組みであるわけですが、それを逆手にとって不正に金銭を得ようとする事件が後を絶ちません。そのために保険会社は加入時あるいは支払時に、契約内容あるいは請求内容を審査したり、保険会社間で契約情報や事故情報を交換したりして、保険事故が正当なものであるかどうかを調査することがあります。また、児童を対象とした生命保険では、犯罪を誘引しないよう保険金の上限が低く抑えられていたり、成人を対象とした場合でも、保険金がある一定額を超えると保険会社間で情報交換をして被保険者に複数の生命保険会社から多額の保険金がかけられていないか調査する仕組みとなっています。

 

 

保険金の支払い拒否

 

保険金詐欺とは逆に、バブル経済の崩壊以降、保険会社にとってコストとなる保険金の支払いを渋る状況が生まれ、問題になっています。2005年に明治安田生命保険の支払い拒否が発覚したあと、同じように、不正な理由で支払い拒否をしていた保険会社が続々と判明し、保険業界全体に不正が蔓延していたことが明らかになりました。